はじめまして。
こちらは県妙子(あがたたえこ)が運営する「ふたりはプリキュア」をメインとする、白泉社系やアニメなどの男女カップリング甘々系二次創作よろずサイトです。
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「ぎゃー!もうヤバい!!行ってきます!!!」
美墨なぎさは半泣きになりながら家を飛び出た。
美墨なぎさは半泣きになりながら家を飛び出た。
なんでこんな日に限って起こしてくれないのよ!と母に心の中で八つ当たりする。
なかなかこないエレベーターを待ってられず、非常階段を勢いよく駆け降りた。
口には食べかけのパンが挟まっている。
ほんとにホントにヤバい!
(今日はこっちの駅で藤P先輩と待ち合わせなのに!)
珍しく、朝イチから一緒にいたいと甘えてきた藤村省吾に、なぎさは流され、それでも家に迎えに来ることだけは断固として拒否し、なんとか駅で合流でまけてもらった。
(家までお迎えだけは、まだ、恥ずかしくて絶対ヤだし!)
親にはまだ彼とお付き合いしていることを話してない。何度か切り出そうとしてみたが、その度に頭に血が上ってクラクラして話せてない。
先輩はすでに伝えていて、『美墨さんに会ってみたいって言ってたよ。』と言われたが、そちらも許容量オーバーのため、保留中である。
そもそも、志穂と莉奈に伝えるのでさえ、限界スレスレだったのだ。
彼氏彼女になってからの展開が早すぎて、頭が全くついていかない。
いやそれよりも今は。
(絶対絶対間に合わない!うわーん!!!)
駅まで行く道程での最後の角を素早く曲がると、前に影が出没した。
かわす間もなく、鈍い音と共に激突する。
「ぅわっ?!」
どこかで聞いた声が耳に届く。反動であたしの体は後方に跳ね飛ばされた。
見事に尻餅をつき、尾てい骨をしたたかに打つ。
それは相手も同じようで、いたた…と小さな声が聞こえた。
口にしたパンを(ぶつかっても放さなかった。)手に移し、相手に謝罪しようと顔を上げた。
「す…すいません!だいじょう…ぶ…ぅ???」
そこにいたのは待ち合わせていたはずの藤村省吾。
「おはよ、美墨さん。」
「おはようございます…じゃなくて、すいません、大丈夫でしたか?!」
「うん、大丈夫だよ。美墨さんは?」
「あたしは全然大丈夫です!すいません、慌ててて…。」
そうみたいだね、とあたしの掌を指差した。
そこにあるのは食べかけのパン。認識した途端に顔が羞恥で真っ赤になった。
ぎゃあと叫びたいが、そんなことをすればますます奇人変人の部類になってしまう。
「…すいません!今日寝坊しちゃって朝ごはん食べる時間なくて!」
素直に謝罪をする。ひたすら頭を下げるなぎさに、藤村は小さく笑いながら、言った。
「そんなに謝らなくても大丈夫だよ。最初にワガママ言ったのはオレの方だしね?」
頭をなかなか上げないなぎさの肩を支え、顔を覗き込む。
至近距離に現れた彼の顔に驚き、なぎさは後ろへ下がった。
「は…はい!ありがとうございます!!!」
「じゃあさ、まだ少し早いしコンビニでも行こうよ。一緒に朝ごはん食べよ?」
にこにこと嬉しそうに話す彼に、なぎさは頷いた。
それはもちろん願ったり叶ったりなのだが、何故こんなに嬉しそうにしているのか。
「あの…先輩?なんでそんなに楽しそうなんですか?それに、朝ごはん…先輩食べてないんですか?」
「そうなんだ。オレも食べる時間なくって。だから、美墨さんと一緒に食べれるのは嬉しい。それに、朝イチに会えたからね。」
駅に向かって歩きながらそう語る彼は、本当ににこにことしていて、かわいらしい。
彼を見ていると、なぎさの胸はきゅん、と締め付けらた。
「それに先輩…なんでこんなところに?待ち合わせ駅前だったのに…。」
「……早く会いたかったから。待ってる時間もったいなくて。家までが無理なら、せめてマンション前で待ってようかと思って、さ。」
再び胸がきゅんとなる。
片想いの時より、告白した時より、昨日より今が一番好きで、どんどん好きになっていく気がする。
なぎさは藤村の袖を掴み、顔を伏せた。
「美墨さん…?」
「あたしも…。」
掴んだ袖を離し、藤村の掌に自分の手を重ねる。
「あたしも、一番に先輩と会えて嬉しいです。」
一息に自分の気持ちを吐き出した。恥ずかしくて伏せていた顔をそろそろと上げる。すると、目の前には少し、頬を染めて、蕩けるように微笑む彼の顔があった。
彼の腕がなぎさの肩を捕らえ、その中に閉じ込める。
抱きしめられていることを認識して、なぎさは盛大に狼狽えた。
「美墨さん…。」
耳元で囁かれた声に、どきどきは最高潮となる。体中で藤村を感じて、力が入らない。
「好きだ。」
たった一言。でも、爆弾でも落とされたかのような衝撃が走った。
彼の吐息が項にそよぐ。
湿った唇が耳たぶに微かに触れる。
体中の神経が彼を意識して、なぎさの体は電流が走ったかのように反応した。
立っているのもままならず、彼の背に腕を廻して、シャツをぎゅっと握りしめる。自分が今、どれだけ女の顔をしているか、自覚もせず藤村の顔を見返した。
「あたしも…先輩が好きです。」
潤んだ瞳、微かに開かれた唇に誘われるかのように、藤村は顔を近づける。
互いの吐息を感じるほど近付いた瞬間、後方から「なぎさ?」と問い掛ける声が聞こえた。
慌ててて体を離し、声のした方に向き直ると、そこには見慣れた男が立っていた。
「お父さん?!」
しまった、ここは駅前で、通勤・通学路で、今日はたまたま早く出ると言っていた父と鉢合わせする可能性があったのだ。
だが、よりにもよってこんな場面を見られ、なぎさの頭はぐるぐる廻るばかり。一刻ほど、お互い無言だったが、なぎさが正気に戻るより先に、隣に立っていた藤村が動いた。
「なぎささんのお父さんですか?初めまして、藤村省吾と言います。なぎささんとお付き合いさせていただいてます。よろしくお願いします。」
きちんとした挨拶に、固まっていた美墨岳も動き出した。
「あぁ、初めまして。って…お付き合い?!!」
ぎりぎりとなぎさの方に顔を向ける。
「なぎさぁ…お父さん…聞いてないぞぉぉ…。」
怨みがましい目を向けられ、なぎさは反応ができない。
「ごめんなさい、だって……なんか恥ずかしくって…。」
ぶつぶつと言い訳しようとすると、岳はぽんと手を叩き、藤村に向き直った。
「藤村君だったね、今日、晩御飯食べにきてくれないかな?」
へぇぇぇぇ?!
なぎさは声にならない声を上げる。
ちょっと待て、なんでそーなる。抗議したいが、藤村はすんなりと頷いた。
「今日は部活もありませんし、大丈夫です。でも、お邪魔じゃありませんか?」
「全く全然ナッシング!じゃぁ、決まりだ!家族には伝えておくから、絶対に来てくれよ。また後で!」
岳は藤村の肩をぽんぽんと叩き、なぎさには「いちゃいちゃしてたら学校遅れるぞ。」という余計な一言を残して駅へ向かった。
あたしは抗議しようと腕をあげたままの状態で固まる。
これは一体どうなってるの…?展開に全くついていけない。呆然とするなぎさに向かって、藤村は言い放った。
「これで家まで迎えに行っても大丈夫になったね?」
確信犯ですか?!!
「もぉ、ありえないぃぃ!」
今日もまた、なぎさの悲鳴が響き渡った。
fin.
「パンをくわえたヒロインが曲がり角で男子とぶつかり恋に落ちる。」という王道Patternです。ちょっと違うケド。
拍手お礼用に作ってましたが長くなったので普通にUP。
なぎさのお父さんと、藤Pは気が合いそうな気がします。
きっとキャンプとかも連れてってもらって、信頼感の厚い藤Pは、テントになぎさと二人きりにさせてもらって、「今日はテントだし、お父さん達もいてるし、…できないけど…。」とかいいつつちゅっちゅしまくって、なぎさをふらふらにするのでしょう。
んで次の日寝不足で、亮太に「おねーちゃん、省吾にいちゃんと一緒だから大人しいじゃん。」とかからかわれて、いつものごとく「りょぉたぁ?」とか凄んで追いかけ回し、それを藤Pに笑われて落ち込むみたいな展開かと。
あぁもう藤なぎおいしすぎ!!!
あと、藤Pだけがなぜ藤村なのかと言うと…省吾ってなんかテレるからです…。(←おい。)
妄想しすぎて頭と目がツライです。
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あしあと
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プロフィール
HN:
県妙子
性別:
女性
趣味:
おもちゃ集め
自己紹介:
「ふたりはプリキュアSplash☆Star」から視聴を始める。
折角なので、無印DVDをレンタルしてみるが、それがクリーンヒット。
全てのプリキュアシリーズを視聴するに至る。
ちなみに好きなキャラは藤P。
カップリングは藤なぎ。ちょっとキリほのに萌えるものもある。
折角なので、無印DVDをレンタルしてみるが、それがクリーンヒット。
全てのプリキュアシリーズを視聴するに至る。
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カップリングは藤なぎ。ちょっとキリほのに萌えるものもある。
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