タイトル思いつかず。
なぎさがぺろっと舌を出すところが見たい！！
という妄想だけで書いてます。

「やっぱり夏はアイスに限りますよね！」

にこにこと幸せそうに、チョコレートとバニラのダブルにかぶりつく彼女を見てると、こちらも幸せな気持ちになる。

手元にあるアイスのことなど忘れて、彼女の顔を眺めていると、「先輩、たれてます！」と指摘がとんだ。

慌てて下を向くとバニラが指を乗り越えて、足元にぽたぽたと滴り落ちている。

「わっヤバ。」

大急ぎで指についたアイスを舐め取り、形の崩れたアイスにかぶりつく。キンと冷えたアイスは心持ち熱くなった体と頭を適度に冷やし、彼女で一杯になっていた脳内に冷静さを取り戻してくれた。

「うん、美味い。」

遅まきながら彼女の感想に同意する。

すると、そうでしょう、と言いたげに、彼女は微笑んだ。その顔を見ていると、再び手元が疎かになる。つくづく参ってると思う。

頬杖をついて、アイスを放棄して彼女をただ見詰めることにする。どうせもうベタベタになってるんだから、構うことはない。

「先輩食べないんですか？」

「うん、なんかもう一杯になっちゃって。」

何が何で一杯なのかはぼかして言う。すると勘違いしたのか彼女はオレの手元を見て、じゃあ、と呟いた。

「いただきっ！」

アイスを掴んでいたオレの左腕を掬い上げ、溶けかけたアイスにかぶりつく。

コーンの半分ほどは食べてしまっていたので、残りは半分だけ。あっという間に食べ切り、指についていた少しのアイスは彼女の舌で舐め取られてしまった。

その感触を覚えた瞬間、オレの熱は上昇する。

慌てて指を引き抜き、彼女を見ると、彼女も勢いづいてしまっていただけなのだろう。

明らかに慌てた表情で、顔を紅潮させていた。

「えっっっっっっと………。」

視線をあちらこちらに移し、観念したのか、オレと目を合わせた。

「ごめんなさい…。」

それを聞いた瞬間に込み上げる笑い。

腹を抑えてうずくなり、笑いを噛み殺していると、憤慨した彼女が叫んだ。

「なんで謝ってるのに笑われなきゃなんないんですか？！」

「だって…。」

なんとか笑いを抑えて、オレは彼女に向き直った。

「だって『彼女』に指舐められて、喜ぶ男はいても、怒る男はいないよ。」

それを聞いた瞬間、これ以上ないほどに顔を紅潮させたなぎさは叫んだ。

「もう！ありえない！！！」







fin.







指についたアイスを舐めとるなぎさが書きたかっただけです。

[5回]