はじめまして。
こちらは県妙子(あがたたえこ)が運営する「ふたりはプリキュア」をメインとする、白泉社系やアニメなどの男女カップリング甘々系二次創作よろずサイトです。
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※なぎさがちょっと辛い時期の話です。
なぎさが泣くのは堪えられない!という方はとばしてく ださい。
なぎさが泣くのは堪えられない!という方はとばしてく ださい。
「俺、美墨さんのこと好きだ。」
高校に入ってすぐのこと。
同級生の男子に告白された。
もちろんすぐ断ろうとした。
だけど、そんなあたしを制して彼が言った。
「断るのはちょっと待って。美墨さん、俺のこと知らないだろ?一度も知る機会を与えられないまま断るのは酷いと思わない?」
そんなふうに言われたら、そんな気もしてくる。
「だからさ、一回だけデートしない?それでも断るならそれでよし。ちょっとでもいいなと思ったら、お試しで付き合ってみる。そんな感じで。」
それぐらいなら、構わないかな、とその時は思った。
それが大いなる後悔の幕開けだった。
「いつか貴方にこの気持ちを届けよう」
「え…じゃあデートするの?」
「うん…なんか成り行きで…。」
多少後ろめたい想いがあるためか、親友の顔を真っ直ぐ見れなかった。
あの時はいいかな、と思ったのだ。
でもよく考えれば、あたしがあの人を想っている限り、付き合うことなんて有り得ない。
つまり、彼に糠喜びさせることになるわけだ。
「なぎさ…。」
そんなあたしの様子を見て、ほのかは心配気にあたしを覗き込んだ。
「ごめん、わかってる。でも、あの時はいい考えだと思っちゃったんだよ。」
自分の思考能力のなさに流石にウンザリだ。
だけど、一度頷いたものは撤回できない。
「それでどうするの?」
「今度会う時にはっきり言うよ。貴方とは付き合えませんって。」
馬鹿だよね~と自分の頭を掻いた。
あたしは一学年上の藤村省吾先輩が好きだ。
中等部の頃からこの想いは変わらない。
なかなか告白するまでにはいかないけど、できればこの想いを伝えたいと思っている。
それなのに、他の男子とデートしてどうするんだろう?
例え伝えられなくても、この想いは変わりそうにないのに。
そんなことをつらつら考えていると、ふと、耳に留まる声があった。
「聞いた?藤村先輩がさ、他校生とつきあってるらしいよ。」
声は、あたしとほのかが座り込んでいる芝生を取り囲む並木の向こうから聞こえた。
(いま…なんて…。)
「聞いた聞いた!ふわふわロングヘアーの美人なんでしょ?なんか目撃談多数みたいね。」
「あーあ、残念!あたしも先輩のファンだったのになぁ。」
「先輩好きな子多かったもんねぇ。今頃泣いてる子続出じゃない?」
同級生の女子の声だった。
「なぎさ…。」
ほのかがあたしに呼び掛ける。
「は…ははは…告白する前に玉砕しちゃった…。」
顔をひきつらせながら笑う。
「なぎさ…ただの噂でしょ?」
そうかもしれない。だけど、ただでさえ自分に自信をなくしている今は、とても前向きに考えられない。
もともと高嶺の花だったんだ…そう思う。
「ごめん、ほのか…。今日はあたし部活休む…先に帰ってるね!」
そう言い捨てて駆け出した。
とても部活に集中できる気がしなかった。
帰り道は久しぶりに明るい中。
駅前の商店街には晩御飯の買い物客で溢れてる。
(こんな時間に家に帰るの久しぶり…。)
いつもは部活後にたこカフェに寄り、陽が暮れてから帰路へとつく。
(なんか何もする気しないな…。)
今は、トボトボと下を向いて歩く。
そうして下を向いたまま歩いていると、前を誰か横切った。
気づいた瞬間、その影にぶつかっていた。
「す…すいません!」
人影は、よろけたあたしの肩を素早く支えてくれる。
「ごめんなさい、ぼーっとしてて…!」
「あれ、美墨さん?」
聞き慣れた声があたしの耳に届いた。
慌ててあたしは上を仰ぐ。
「藤P先輩…。」
「今日は早いね。部活は?」
にこりと笑って優しく問い掛けられる。
昨日まではこんな偶然が幸運の象徴だったのに、今は胸が苦しい。
「今日は、ちょっと用事があって休みました…。先輩こそどうしたんですか?」
「オレも用があって。奇遇だね。」
柔らかい微笑みにあたしの心臓が高鳴る。
不意に聞いてみたい衝動に駆られた。
(彼女…できたんですか?)
確かめたい、けど怖い。それにそんなこと聞いてどうするんだろう。告白さえできないのに。
そんな後ろ向きな考えが、頭の中を渦巻いた。
自然と目線が落ちるあたしを藤P先輩は訝しげに見つめた。
「美墨さん…何か悩みでもある?」
「!いいえっ!!」
反射的に否定した。
これまでの経験から、こういう時の藤P先輩が優しく悩みを聞いてくれるのは分かってる。
けど今は、藤P先輩の視線に触れたくない。
「じゃあ、あたし帰ります!」
「え…美墨さん?」
あたしが先輩から離れた途端、後ろから女の子の声がした。
「省吾!ごめん、おまたせ。」
先輩の気配が少し遠退いた。反射的にあたしも振り返る。
そこに立っていたのは、長い髪をゆるくウェーブをかけ、大人っぽいワンピースがよく似合う綺麗な人。
「透子、遅い。」
先輩から出たのは親しげな口調。
(呼び捨て…なんだ。)
そう思った時には駆け出していた。
「あ、美墨さん!!!」
先輩の声が響く。
だけど、怖くて怖くて後ろを振り返れなかった。
自宅に戻ったあたしは、母親には疲れてるから、と一言だけ告げて自室に篭った。
パジャマに着替え、ベッドに滑り込む。
鞄に付けているポーチからメップルの声がする。
だけど、なんだか遠い世界のことのようで、今が朝なのか夜なのかもわからなくなっていた。
「ぷはぁ!なぎさ!どうしたんだメポ?!声をかけても無言だし、目は虚だし、なんだかおかしいメポ!」
「ごめん、なんか疲れたから休むね。」
頭の上まで布団を被り、目を閉じた。
どうしてだろう。今朝まではいつも通りだった。男子生徒に告白されてから、事態がどんどん転がり落ちてる気がする。
もう何も考えたくない。
あたしは思考をシャットダウンした。
続きます。
なぎさの片想いで苦しい時期を書いてみたくなったんだけど、なぎさが辛い想いするのはやだなぁと思ってしまふ…。
なぎさかわいいなぎさかわいい。
透子はとうこと読みます。
実は藤村の1こ上です。
高校に入ってすぐのこと。
同級生の男子に告白された。
もちろんすぐ断ろうとした。
だけど、そんなあたしを制して彼が言った。
「断るのはちょっと待って。美墨さん、俺のこと知らないだろ?一度も知る機会を与えられないまま断るのは酷いと思わない?」
そんなふうに言われたら、そんな気もしてくる。
「だからさ、一回だけデートしない?それでも断るならそれでよし。ちょっとでもいいなと思ったら、お試しで付き合ってみる。そんな感じで。」
それぐらいなら、構わないかな、とその時は思った。
それが大いなる後悔の幕開けだった。
「いつか貴方にこの気持ちを届けよう」
「え…じゃあデートするの?」
「うん…なんか成り行きで…。」
多少後ろめたい想いがあるためか、親友の顔を真っ直ぐ見れなかった。
あの時はいいかな、と思ったのだ。
でもよく考えれば、あたしがあの人を想っている限り、付き合うことなんて有り得ない。
つまり、彼に糠喜びさせることになるわけだ。
「なぎさ…。」
そんなあたしの様子を見て、ほのかは心配気にあたしを覗き込んだ。
「ごめん、わかってる。でも、あの時はいい考えだと思っちゃったんだよ。」
自分の思考能力のなさに流石にウンザリだ。
だけど、一度頷いたものは撤回できない。
「それでどうするの?」
「今度会う時にはっきり言うよ。貴方とは付き合えませんって。」
馬鹿だよね~と自分の頭を掻いた。
あたしは一学年上の藤村省吾先輩が好きだ。
中等部の頃からこの想いは変わらない。
なかなか告白するまでにはいかないけど、できればこの想いを伝えたいと思っている。
それなのに、他の男子とデートしてどうするんだろう?
例え伝えられなくても、この想いは変わりそうにないのに。
そんなことをつらつら考えていると、ふと、耳に留まる声があった。
「聞いた?藤村先輩がさ、他校生とつきあってるらしいよ。」
声は、あたしとほのかが座り込んでいる芝生を取り囲む並木の向こうから聞こえた。
(いま…なんて…。)
「聞いた聞いた!ふわふわロングヘアーの美人なんでしょ?なんか目撃談多数みたいね。」
「あーあ、残念!あたしも先輩のファンだったのになぁ。」
「先輩好きな子多かったもんねぇ。今頃泣いてる子続出じゃない?」
同級生の女子の声だった。
「なぎさ…。」
ほのかがあたしに呼び掛ける。
「は…ははは…告白する前に玉砕しちゃった…。」
顔をひきつらせながら笑う。
「なぎさ…ただの噂でしょ?」
そうかもしれない。だけど、ただでさえ自分に自信をなくしている今は、とても前向きに考えられない。
もともと高嶺の花だったんだ…そう思う。
「ごめん、ほのか…。今日はあたし部活休む…先に帰ってるね!」
そう言い捨てて駆け出した。
とても部活に集中できる気がしなかった。
帰り道は久しぶりに明るい中。
駅前の商店街には晩御飯の買い物客で溢れてる。
(こんな時間に家に帰るの久しぶり…。)
いつもは部活後にたこカフェに寄り、陽が暮れてから帰路へとつく。
(なんか何もする気しないな…。)
今は、トボトボと下を向いて歩く。
そうして下を向いたまま歩いていると、前を誰か横切った。
気づいた瞬間、その影にぶつかっていた。
「す…すいません!」
人影は、よろけたあたしの肩を素早く支えてくれる。
「ごめんなさい、ぼーっとしてて…!」
「あれ、美墨さん?」
聞き慣れた声があたしの耳に届いた。
慌ててあたしは上を仰ぐ。
「藤P先輩…。」
「今日は早いね。部活は?」
にこりと笑って優しく問い掛けられる。
昨日まではこんな偶然が幸運の象徴だったのに、今は胸が苦しい。
「今日は、ちょっと用事があって休みました…。先輩こそどうしたんですか?」
「オレも用があって。奇遇だね。」
柔らかい微笑みにあたしの心臓が高鳴る。
不意に聞いてみたい衝動に駆られた。
(彼女…できたんですか?)
確かめたい、けど怖い。それにそんなこと聞いてどうするんだろう。告白さえできないのに。
そんな後ろ向きな考えが、頭の中を渦巻いた。
自然と目線が落ちるあたしを藤P先輩は訝しげに見つめた。
「美墨さん…何か悩みでもある?」
「!いいえっ!!」
反射的に否定した。
これまでの経験から、こういう時の藤P先輩が優しく悩みを聞いてくれるのは分かってる。
けど今は、藤P先輩の視線に触れたくない。
「じゃあ、あたし帰ります!」
「え…美墨さん?」
あたしが先輩から離れた途端、後ろから女の子の声がした。
「省吾!ごめん、おまたせ。」
先輩の気配が少し遠退いた。反射的にあたしも振り返る。
そこに立っていたのは、長い髪をゆるくウェーブをかけ、大人っぽいワンピースがよく似合う綺麗な人。
「透子、遅い。」
先輩から出たのは親しげな口調。
(呼び捨て…なんだ。)
そう思った時には駆け出していた。
「あ、美墨さん!!!」
先輩の声が響く。
だけど、怖くて怖くて後ろを振り返れなかった。
自宅に戻ったあたしは、母親には疲れてるから、と一言だけ告げて自室に篭った。
パジャマに着替え、ベッドに滑り込む。
鞄に付けているポーチからメップルの声がする。
だけど、なんだか遠い世界のことのようで、今が朝なのか夜なのかもわからなくなっていた。
「ぷはぁ!なぎさ!どうしたんだメポ?!声をかけても無言だし、目は虚だし、なんだかおかしいメポ!」
「ごめん、なんか疲れたから休むね。」
頭の上まで布団を被り、目を閉じた。
どうしてだろう。今朝まではいつも通りだった。男子生徒に告白されてから、事態がどんどん転がり落ちてる気がする。
もう何も考えたくない。
あたしは思考をシャットダウンした。
続きます。
なぎさの片想いで苦しい時期を書いてみたくなったんだけど、なぎさが辛い想いするのはやだなぁと思ってしまふ…。
なぎさかわいいなぎさかわいい。
透子はとうこと読みます。
実は藤村の1こ上です。
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プロフィール
HN:
県妙子
性別:
女性
趣味:
おもちゃ集め
自己紹介:
「ふたりはプリキュアSplash☆Star」から視聴を始める。
折角なので、無印DVDをレンタルしてみるが、それがクリーンヒット。
全てのプリキュアシリーズを視聴するに至る。
ちなみに好きなキャラは藤P。
カップリングは藤なぎ。ちょっとキリほのに萌えるものもある。
折角なので、無印DVDをレンタルしてみるが、それがクリーンヒット。
全てのプリキュアシリーズを視聴するに至る。
ちなみに好きなキャラは藤P。
カップリングは藤なぎ。ちょっとキリほのに萌えるものもある。
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