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はじめまして。 こちらは県妙子(あがたたえこ)が運営する「ふたりはプリキュア」をメインとする、白泉社系やアニメなどの男女カップリング甘々系二次創作よろずサイトです。 個人のファンサイトですので、各版権元とは一切関係ございません。 二次作品に興味のない方はブラウザバックでお戻りください。
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つくづくオレのこの想いはどこから湧いてくるんだろう。
他に目を向けるなぎさをこちらに向けたい。
なぎさの視線を独り占めしたい。
ここまでの想いを抱くなんて思わなかった。

夢か現かー4-


キリヤへの羨望混じりの視線を見てしまい、オレは冷静ではいられなくなった。
先程の微笑みもまた影響していた。
もし、なぎさもまたキリヤに好意を抱いていたとしたら。
そう考えただけで、胸が痛くてたまらなかった。
間違いなく彼女はオレを好きでいてくれてるのに、それも何の保障にもならない

(浅ましい…。)
ひどい独占欲だ。
自分の思考に夢中になっていたが、右腕をひく暖かい手に気付いた。
「先輩。そーっと外しましょう?」
小声でなぎさはそう囁いた。
ほのか達の方を見ると、何やら話し合ってるようだ。確かにこの場にいるべきで
はないだろう。
こくんと頷き、なぎさの後を追った。
無言でしばらく歩く。
なぎさがオレの顔を覗き込んできた。
「先輩、どうかしたんですか?」
嫌な考え事をしていたためか、眉間にシワが寄っていたらしい。
なぎさが腕をのばして額に手をあててきた。
その腕をつかみ、なぎさの体を捕まえる。
「せんぱい!もうどうしたんですか?」
恥ずかしがり屋の彼女は、いつものように腕の中で暴れた。
その問いに答えず、ただ腕の力を込めると、いつもと違う様子のオレに気付いた
らしい。
頤を上げ、オレと視線を合わせてきた。
「先輩…?」
オレは黙って彼女の唇を奪う。
「ん…。」
角度を変え、舌を這わせ、深く深く彼女に浸蝕する。
彼女の切れ切れの息遣いを耳にしながら、何度も深く口づけた。
(欲しい…。)
なぎさが。疑いようもなく自分のものだと確信したい。
(いっそ、このまま…。)
物騒な考えに及んだオレの両頬を冷たい掌がぺしんとはたいた。
彼女の冷えた掌がオレの目を覚まさせる。
我に返りなぎさに目を向けると、彼女の瞳はゆるく潤んでいた。
(泣かせた…!!)
その事実に狼狽し、思考も動きも止まってしまった。
そんなつもりじゃなかったのに、と馬鹿な男の言い訳が頭をぐるぐると回る。
下を向き、両肩をいからせぶるぶると震える彼女を見て、何も口に出せない。
しかし、このままじゃいけないと口火を切る。
「あ…あの、なぎさ…。」
「先輩のバカ!」
なぎさの声が耳をつんざいた。
「何か心配事なら口に出してくれたらいいのに!相談してくれなんて言えないけど、でも、話してくれるだけでもいいのに!!」
そこまで一息で叫ぶと、彼女はこらえるように俯いた。
機先を制されたオレは、タイミングを逃して一言も口に出来ない。
「先輩のバカ…。」
俯いたままで小さく、言葉を吐く。
(オレ…。)
なんてことを考えたんだろう。
彼女の想いがオレに向いているのは間違いないのに。
自分の不安感を消したいためだけに、彼女を傷つけた。
「ごめん…なぎさ、あの…。」
謝罪の言葉を口にするオレを見て、悲しそうに彼女はオレを見た。
「どうして謝るんですか…?」
彼女の言葉の意味がわからない。
戸惑うオレを見て、彼女は頭をゆくる振った。
「謝ることなんてないでしょう?あたし、先輩の彼女なんだから。あたしはただ、話をして欲しいだけなんです。」
言葉を紡ぎつつ、瞳からぽろぽろと涙がこぼれおちる。
そんな様子を見て、オレはただこう考えていた。
可愛いな、と。
「どうしてそんなに不安そうなんですか?どうしたら先輩いつも見たいに笑ってくれますか?あたしが出来ること、ないんですか?」
自分を顧みず、相手のことをただ、思いやってくれる彼女が可愛くて仕方がない。
どうしてあんなに不安になっていたのかわからない。
今は、彼女がオレを見てくれていることが感じられる。
もう一度、今度は包み込むように優しく彼女を抱く。
柔らかな髪に口づけ、震える彼女に再度謝罪の言葉を囁いた。
「ごめん、ちょっとオレやきもちやいてた。」
彼女が目線を上げる。
「なぎさがキリヤとほのかのこと羨ましそうに見てるからさ。あいつのこと気になってる時でもあったのかなって思うといてもたってもいられなくて。」
正直に気持ちを告げる。
「オレってかっこ悪いな。」
思い込みで暴走して。だけど。
「でも、それだけ君のことが好きだってことだから…許してくれる…?」
膝を折り、彼女の顔を覗き込むようにしながら言う。
涙をためながら、顔を真っ赤にさせたなぎさは本当に可愛い。
可愛すぎて、別の意味で暴走しそうだ。
「先輩ずるい…そんな風にされたら、許すに決まってるじゃないですか。」
口をとがらせて、拗ねた風に言う。
そのまま唇をオレの耳に寄せ、一言。
「でも、好き…。」
(…これは、殺人的だろう??!!)
今、なんとか自制心を取り戻したばかりだと言うのに、これは酷いと思う。
おまけに彼女の方からオレの体に腕をまわし、抱きしめられていることを感じたら、体が勝手に反応しそうで。
(あぁもう負けたよ。)
もう少しだけ、我慢する。多分、独占欲もやきもちも治まることはないだろうけど。オレをこんなに夢中にさせた君にも非はあるだろうし、その辺は勘弁してもらおう。
「あ…オレ木俣を待たしてるんだった。」
「えぇ!!こんなに長い時間?!どこに?」
「えっと…確か…。」
オレが告げた場所になぎさは目を丸くさせた。
「あんなとこ!寒いし人は多いし、もう!!先輩なにしてるんですかぁ!!!」
オレの手をにぎって彼女は先導して走り出した。
「行こ!先輩、早く!!」
多分、オレとなぎさ二人で行ったら、木俣はすねると思うんだけどなぁと取り留めもなく考えながら、オレも足を速めた。

これは余談。

後でほのかに教えてもらったこと。
「なぎさはね、中2の時から藤村くんのことが好きだったのよ。」
新年早々のクラブ集会の後、珍しく一人で帰ることになった日に、ほのかと出会った。
あの後のことが気になっていて、ほのかに訪ねると、その問いには答えず、ほのかは唐突に言った。
(中2…。)
って初めてあったくらいの時期では…。
「なぎさのこと、これ以上泣かしちゃダメよ?」
ほのかはオレの前に回り込んで、指をつきつける。
どうやら詳細に聴き取っているらしい。
「ほんと、仲いいよな。」
こんなに仲がいいと間に割って入るオレは大変だ。
当り前じゃない、とほのかは笑う。
「だって、私たちは親友なんだから。だから藤村くん、ただではなぎさの事、渡さないわよ?」
どうやら先ほどの問いは聞かなかったことにしたいらしい。
貴重な情報を教えてもらった身としては、黙るしかない。
「わかりました。今年もフォローをよろしくお願いします。」
よろしい、とほのかは黒髪をなびかせ、用があるから、と走り去った。
(ヤボ用なんだろうな。)
隠せない嬉しそうな表情から、そう思う。
今日は1月3日。
オレも彼女と遅めの初詣に向かうため、走り出した。


FIN.


3が日までに書き終えてUPし、新年を迎えるつもりでした。
予想外に忙しい年末年始にできなかった…。
ちょっとつじつま合わないところがあるんですが、もう気力がつきました。
説明足らないところもありますが、その辺はご想像におまかせします。
へたれ藤Pと攻めなぎさを書きたかったんですが、なんか違う方向になったような…。
藤村さんはやっぱりいさぎよくてかっこ良いです。
なぎさのうらやましーって想いは、実はほのかじゃなくてキリヤに向けられています。
ほのかにこんなに大事にされて、羨ましい、親友が盗られてしまうような不安とかがないまぜになった感情です。
もうちょっと書き足りないなぁ。
つくづく文章書く勉強しなくちゃ、と思います。

ということで、あけましておめでとうございます。
今年も藤なぎスキーで行きますので、よろしくお願いします。
 

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プロフィール
HN:
県妙子
性別:
女性
趣味:
おもちゃ集め
自己紹介:
「ふたりはプリキュアSplash☆Star」から視聴を始める。
折角なので、無印DVDをレンタルしてみるが、それがクリーンヒット。
全てのプリキュアシリーズを視聴するに至る。
ちなみに好きなキャラは藤P。
カップリングは藤なぎ。ちょっとキリほのに萌えるものもある。
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